前にも言いましたが、大塚久雄は「近代欧州経済史序説」でイングランドのヨーマンリイ (羊飼い)は自分の敷地を囲い込んで、これがおれの敷地だとして羊を育て毛を刈り毛織物を作り再生産を始めた、
こういう中規模の自営農の囲い込み運動(エンクロージャー ムーヴメント)が、資本主義のはじめだとして人間類型と言うことを言い出します。
ロビンソン クルソーは船が難破したら、従者のフライデ イと船にある小麦の袋を持って島に上がり、囲い込みを行って再生産を始める。
日本では、鬼界ケ島に流された僧の俊寛は去り行く平家の舟に「返せ・・・・戻 せ・・・・」と泣き喚くだけだ。
と述べて日本で資本主義が発達しなかった理由にしています。
人間類型の差だと言うのです。
然し逆に考へれば、イギリスでは そういう農民達のピューリタニズムが、ドイツでは同じ農民でもユンカースの精神が、日本では武士道が夫々の資本主義を支えてきたと言えるのです。
人間類型を言ふのならです。
米国には米国のドイツにはドイツの資本主義があります。
プロテスタンティズムの精神を頂いて栄へたのが米国であるならば武士道を戴いて 栄へんとしたのが日本の資本主義でした。
ここで彼等には危機感が起こります。
自分達が何世紀もかけてその英知と信仰心と血と汗で掴み取った国富への近道を、黄色い肌のいろをした東洋の民族が、いともた易く咀嚼し繁栄してゆ くのを見て、危機感を抱いたとしても不思議は無いでせう。
ちょうどこの時期、支那も朝鮮も西欧の資本主義を咀嚼しえなかったのです。
古い従来の考えを固執 して衰えてゆき、支那はアヘン戦争で外国に侵略され、朝鮮は日本に統治されます。
日本は朝鮮にまるで幼子に教えるように近代文明と資本主義を教え、そして両方とも日本の敗戦で棚ボタ式に国富を与えられるのです。
朝鮮民族が妬み深く、コンプレックスの深い国であることはその歴史に由来しますがこれはまたの機会 に話します。
朝鮮民族の行動はこのコンプレックスに対するカタルシスなのだ。と三浦朱門氏は分析しています。
(続く)
2010年03月04日
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