「皇統の危機」7 一阿の言の葉 88話

時代で言えば、孝謙天皇までの六方は飛鳥、奈良時代であり其の後平安、鎌倉、室町、安土桃山まで九百年以上は絶えてなく、後の二方は、江戸時代初、中期と言うことになりますが、これらのご即位は、皇室の長い歴史の中で例外的なものでした。政府資料ではこれを三つに分類しています。

1 外戚の力が背景にある。蘇我、藤原、徳川の各氏。
2 皇位継承者が沢山おられ混乱を避けるため、先の天武天皇のお后ご自身が継承された。
3 幼少の男子皇族が成人されるまでの中継ぎ。

これ等女性天皇は何れも男系であって、ご在位中は独身であられ、男系主義による皇位継承が一貫されたことはいうまでもありません。

桜井よしこさんはこう述べておられます。

「大変失礼な言い方になりますが、天皇や皇室の権威は知識の豊富や富や権力や教養や外見の良さに由来するものではないのですね。私達の先輩世代達が認めてきたお血筋をつたえていらっしやるということ、万世一系の御血筋であられるというのが、みんなが一番納得する理由だろうと思います。

それが、女性天皇や女性宮家当主の配偶者になられる方のお血筋で続いていった時には、万世一系のお血筋は途絶えてしまい、お生まれがよくて、お育ちが良いというだけの御存在になってしまう。そうすると、一般庶民の良家とどう違うのか、ということになりかねない。この違いをきちんと守っていくことが百年か二百年に一度の国家の危機の際に求心力を発揮しうる天皇の御存在につながるのではないかと思います。

途中で女性天皇という例外はあったものの、とにかく男系男子で維持されてきた長い歴史が、国民統合の権威の源なのです。男系でならなければならない理由を遺伝子学を使って科学的に説明するよりも、集合的無意識として尊重するこころが大切なんです。」

(『皇位継承の危機いまだ去らず』桜井よしこ・大原康男・茂木貞純共著参照)

(続く)

2010年05月31日

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