「国家ということ1」一阿の言の葉 第77話

四月二十八日の産経新聞・正論欄に東京大学名誉教授小堀桂一郎さんのことばが載っていました。これは愚老がブログで拙文を書いてきた70回分の要約だと思いましたので一部再録させもらいました。或いはお読みになった方も多いと思います。

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 「『占領期の屈辱に引き戻す動き。』
・・・ところがこの真摯な保守系国会議員諸氏の大半が昨年夏の総選挙で落選の憂き目を見、長ければ向こう四年間政治活動の第一線から退いて雌伏を余儀なくされる事態となった。

その代わりとして立法府の議席を大量に占めることとなった党派の代議士諸公は、独立国家 主権の回復という邦家の歴史的慶事を祝福するどころか、昭和二十七年の四月以来六十年に近い歳月の主権国家としての日本の復活の歩みを、あの占領行政時代 の屈辱の状態に戻そうとたくらむ反動思想の持ち主連なのである。

・・・あの六年半余の悲運の占領時代に、日本の国家と国民に対しての絶対的権力を掌握していた駐留米軍は、・・・・日本が将来二度と米国の国家戦略に対する障壁として再起することのない様に、日本人の精神と社会構造に向けて破壊と弱体化のための各種の毒物を仕掛けておいた。・・・・・実に遣り切れないのは、占領軍のこの置毒政策の片棒を担ぎ、そこから恩恵を蒙り、その毒薬の玩弄を以って己の権力欲を満足させ、遂にはそれを己の政治的利権として操作し、六十年後の今日なほそこから生ずる利得の墨守に汲々たる勢力の存在である。 


 『夫婦別姓は民族伝統への攻撃』
・・・・・米占領軍の日本解体工作の中、国家共同体の柱として民族伝統に向けた攻撃の矛先を継承しているのが、選択的夫婦別姓制度導入のための民法改悪を企んでいる一派である。・・・・・将来それを内部からの蝕害によって腐朽させるべく仕組まれた毒菌の発芽したものが、『永住外国人に地方参政権』を付与しようという法案である。

畢竟は政治家達における主権意識の欠如こそがこの様な妄論を化生せしめた腐った土壌なのだ。・・・・・・」


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 以上が小堀さんの小論のごく一部ですが、愚老が青虫や普通の気持ちやケルトの木で繰り返し述べてきたことは、結局政治家にそして国民に主権意識がないと国家は崩壊するのですよと言うことです。


(続く)

2010年05月07日

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