少し退屈ですが、後で日本の武士道と密接に関係し、そしてわが国が決して侵略国家ではないと言う事と結びつきますので我慢して聞いて下さい。
ピューリタニズムと言うのは古代イスラエルの思想の中から生まれた道徳が、キリスト教の中に流れ込みギリシャの思想と手を携えてキリスト教の中世修道院の厳しい生活の中の考え方になり、宗教改革後はそれも乗り超えて一般生活者の厳しい道徳思想になった姿をさします。
一阿は昔宗教改革というのは、カトリックがあまり戒律が厳しいのでもっと自由が欲しいとして、出来たものと思っていましたが、まったく逆で宗教改革の思想は家庭性活と公的生活の両方にまたがってとても厳しくやっかいな戒律がありました。
この運動は16世紀にはジュネーヴとスコットランドを、次にはネーデルランド(オランダ)を、17世紀にはニューイングランドとイギリス本国にもひろがりました。
そして異口同音に今までのカトリック教会の統制では弱すぎると叫びました。
ではどうしてこれから資本家として成長して行く人々が、金を儲けるなといわんばかりの教えを命がで守ったのでしょう。
それはこうです。
近代資本主義というのは簿記を土台としての合理的な産業経営ですが、工場のなかでは本当にしっかりした責任感が必要なだけでなく、どうしたら勤務時間の間は出来るだけ楽をして、ふだんと同じ賃金がとれるか、などと言うのではなく、あたかも労働が絶対的な自分の使命(天職)だという心が必要なのですが、然しこう言う心は生まれつき持っているものではありません。
また高賃金や低賃金で直接作り出すことは出来なくて、長い間の宗教教育の結果はじめて生まれて来るのです。
(続く)
2010年01月31日
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