【朝鮮半島の有事1】一阿の言の葉 第21話

 7/9(財)史料調査会会長、田尻正司氏(兵学校73期)の話を聞いたのでお伝えします。史料調査会は終戦時米内海軍大臣の指示に基ずき、富岡軍令部第一部長の構想のもと、設立(S21.3.2)維持(64年間)されてきた、我が国の安全・防衛問題を研究する極めて少ない公益法人です。

 富岡軍令部第一部長はミズーリー艦上での終戦調印式に、重光葵外務大臣についておられた丸腰の海軍士官です。一阿はこの会に遅れ最後の話のみ聞いたのですが、強い印象をうけたので先ずここから書き始めます。

朝鮮半島の有事・・・・・。

昨年10月3日韓国の哨戒艦が、北の魚雷奇襲を受けて沈没し半島は緊迫した。然し安全保障理事会はこれを徹底的に追求できなかった。何故か?。申すまでも無い。米、日、韓、豪に対する北、中、露の力のアンバランスの問題である。

「北」問題で紙面によく出てきた米のヒル国務次官補は完全に「北」に取り込まれていたと考えてよい。「北」で報道される「核」とか「ミサイル」の問題は、既成事実であって、これからの問題ではない。「核」について「北」が一歩引くことはありえない。
 
韓国の現大統領 李明博の功績は撤退しつつあった在韓米軍第二師団を呼び止めたことである。在韓米軍は前の大統領盧武鉉の政策によって38度線から20%づつ撤退する計画であった。危機を感じた李明博は必死になって撤退しつつあった米軍を呼び止めたのである。
 
日本本土・・・・・。

これに対してかっての民主党幹事長の如きは、日本防衛には米国第七艦隊だけあれば充分とのたまう始末。現政府も国防について危機感を持った対応はしていない。日本の防衛大綱は76年95年05年と改定されたが、国防予算は毎回 漸減されてきた。今年末に大綱が見直しされるが、根本的に見直しされない以上国防について何も出来ないことになる。
 
 日本国民は国防についてあまりにも無関心すぎる。万一朝鮮半島有事の場合は日本本土は無関係ではありえず、米軍撤退にでもなれば、日本本土はアット言う間に中国、露国、米国に三分割される可能性がある。日本本土の水際作戦は今の状態では事 実上不可能なのである。朝鮮有事は他人事ではない。そのことを日本人はよく知らなければならない。もう戦後ではない。21世紀に入り、世界は軍の近代化と軍拡へ再突入しているのである。

(続く)

2010年01月07日

一阿のYouTubeチャンネルはこちら
https://www.youtube.com/@ichia369/videos

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